サウジアラビアからの帰国者間で発生した血清群W-135髄膜炎菌性髄膜炎、2000年−米国
(Vol. 21 p 121-121)

4月20日現在、ニューヨーク市保健局は米国内における3例の血清群W-135髄膜炎菌性髄膜炎患者の発生を報告した。そのうちの1例は巡礼者で、4価多糖体髄膜炎菌ワクチンの接種を受けており、1例は帰国した巡礼者の家族であった。3例目は巡礼にも参加せず、接触者でもなかったが、発症5日前に、患者は巡礼からの帰国者かその家族との接触があった可能性がある。患者2名の血中からNeisseria meningitidis血清群W-135が分離され、3番目の患者は病原体が関節液から検出された。血清群の分類は最初の2例はCDCで行われ、ともにPorA遺伝子の塩基配列解析によりP1.5,2という血清型に小分類された。

これらの情報は3月17日に終了した年次のメッカ巡礼に米国からの参加が報告された11,000人中で確認された数例に過ぎない。米国に帰国した巡礼者でW-135髄膜炎菌性髄膜炎による死亡者は報告されていない。

米国からの巡礼者のほとんどは、恐らく血清群A、C、Y、W-135の4価多糖体ワクチンを受けていた。AおよびC群多糖体ワクチンの臨床的効果は85〜100%で、臨床的防御効果の記述はないものの、W-135多糖体ワクチンは殺菌的抗体を誘導するとされる。多糖体ワクチンは保菌状態を予防したり除菌することまではできないので、帰国した巡礼者との密接な接触は危険を有している可能性がある。

(CDC、 MMWR、 49、 No.16、 345-346、 2000)

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