6月にインフルエンザウイルスA(H3N2)型が分離された上気道炎症例−仙台市
(Vol.21 p 146-146)
仙台市内の感染症発生動向調査定点の依頼検体から、A香港(H3N2)型インフルエンザウイルスの分離が確認された。患者は63歳の女性で、6月1日に発症、6月2日に受診した。主症状は発熱(38.0℃)、上気道炎、咳、筋肉痛、関節痛であった。同日咽頭ぬぐい液を採取、6月5日からウイルス検査を実施したところ、MDCK細胞よりウイルスが分離され、国立感染症研究所から分与された1999/2000シーズン検査用キットを用いてHI試験を行った結果、抗A/Sydney/05/97血清に1:640の価を示した。本市において6月にA型インフルエンザウイルスの分離が確認されたのは初めてのことである。
仙台市衛生研究所 志田美奈子 熊谷正憲 早川安彦 吉田菊喜
庄司内科小児科医院 庄司 眞