HIV陽性診断後の性行動の変化、 1997〜98年−米国
(Vol. 21 p 148-148)

HIV陽性診断後のリスク行動(コンドーム使用、性交渉相手の数など)の変化を調べるために、アラバマ、ニュージャージー、テネシー州において聞き取り調査が行われた。対象は最近HIV陽性診断を受けた者とした。1997年1月〜1998年9月の調査期間中、基準を満たした543人中180人(33%)が調査に参加した。86%が過去1年以内にHIV陽性診断を受けていた。55%が女性、53%が25歳未満。58%が非ヒスパニック系の黒人、27%が非ヒスパニック系白人、13%がヒスパニック系、1%がその他であった。

回答者180人中162人(90%)がHIV陽性診断を受けた後、性行動がかわったと答えた。回答内容としては、コンドームの使用頻度が上がった:97人(60%)、性交渉の頻度が減った:80人(49%)、性交渉をしていない:58人(36%)、感染が分かっている相手と性交渉をした:16人(10%)、オーラルセックス以外はしていない:8人(5%)であった。オーラルセックス以外では、行動変化に男女差は見られなかった。

男性との膣性交渉ありと答えた女性97名、および男性との肛門性交ありと答えた男性45名の性行動の変化を挙げる。コンドーム使用:なし(HIV陽性診断前25%、HIV陽性診断後6%)、時々(同69%、11%)、常に使用(同6%、47%)。このうち、HIV陽性診断前に予防なしで性交渉を行ったと答えた人(男性38、女性90)では、男女とも高い割合で予防行動を取り入れていた(常時コンドーム使用50%強、性交渉なし30%強)。

HIV陽性診断後男性との性交渉ありと答えた女性66人、および男性との肛門性交をしていた男性30人のうち、診断後の性交渉相手が1人であると答えたのは、それぞれ52人(79%)、15人(50%)であった。

米国では80〜90万人がHIVに感染していると推定されるが、その約1/3は検査未実施のため診断されていないとされている。HIV検査とカウンセリングを推進することによって、感染者が早期に感染を知り、ケアを受けることが、エイズの予防・治療に重要である。

(CDC 、MMWR、49、No.23、512-515、2000)

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