エコーウイルス9型の分離−奈良県
(Vol. 21 p 169-169)

2000年4月、県北西部の保育園で無菌性髄膜炎の報告があり、兄弟を含む4名の園児からエコーウイルス9型(E9)が分離された(咽頭ぬぐい液3株、便2株)。その後、5〜6月にかけて県内各地で同様にE9が計8株分離された(咽頭ぬぐい液6株、便2株)。これらの主な臨床診断は、無菌性髄膜炎2例、ウイルス性発疹症2例、発疹を伴う急性上気道炎3例であった。

ウイルス分離には、RD-18S、HEp-2、MA-104、Vero-463の4種類の細胞を使用し、RD-18S、MA-104細胞で分離された。同定には、市販のエンテロウイルス混合抗血清、エコーウイルスプール抗血清(EP-95)、E9単抗血清を用い、いずれも中和された。

最近、E9の大流行は発生していないが、毎年無菌性髄膜炎、発疹症などから分離されており、地域的な流行が観察されているので今年の動向に注目したい。

奈良県衛生研究所 足立 修 北堀吉映

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