インフルエンザ予防接種対象者の下限を下げ、接種率増加を推進−英国
(Vol. 21 p 200-200)

英国厚生省は、インフルエンザ予防接種の対象年齢を75歳から65歳に引き下げた。各地域医務局における接種率の目標値が、65歳以上人口の60%以上に設定され、家庭医の行うインフルエンザ予防接種への協力を依頼するため"flu coordinator"を任命することになった。そして、予防接種担当医への報奨金、9月18日より始まるキャンペーンの広報といった対策が予定されている。

既存情報から、すでに対象となっていたリスクグループと同様の効果が65歳〜74歳にも見込めることから、インフルエンザ予防接種の対象が65歳以上に拡大された。75歳以上の接種率は50%程度と推定され、年齢の低いハイリスク集団より低率であった。インフルエンザ予防接種を65歳以上に引き下げたことで、65歳以上のリスクグループの受診率も上がることが期待される。

予防接種委員会はすべての保健医療従事者に対するインフルエンザ予防接種を勧告してはいないが、厚生省は労働衛生の一環として行う必要があると勧告している。その他、若年のハイリスク者、長期施設入所者への勧告には変更が無い。

なお今シーズンのWHO推奨ワクチン株は、A/Moscow/10/99(H3N2)類似株、A/New Caledonia/20/99(H1N1)類似株、およびB/Beijing/184/93類似株である。

(CDSC、 CDR、 10、 No.32、 285&288、 2000)

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