2000/2001シーズン用インフルエンザワクチン
(Vol.21 p 223-223)
平成12年度(2000/01シーズン)インフルエンザHAワクチン製造株、およびウイルス含有量については、
A型 | A/ニューカレドニア/20/99(H1N1)(IVR-116) |
A/パナマ/2007/99(H3N2) (NIB-41) | |
B型 | B/山梨/166/98 |
この決定は、2000(平成12)年2月〜3月にかけて3回にわたって開催された国立感染症研究所インフルエンザワクチン株選定会議(委員長:田代眞人ウイルス製剤部部長)において、所内担当スタッフ、外部有識者のほか、厚生省結核感染症課および血液対策課、細菌製剤協会がオブザーバーとして参加し、国内外のインフルエンザの流行状況と流行予測、WHOによるワクチン推奨株の選定経過、ワクチン候補株についての予備実験成績などをふまえて議論された結果を、国立感染症研究所所長から厚生省に報告し、それに基づいて決定通知されたものである。
なお今年度よりワクチンの抗原含有量は、従来のCCA表示より、HA蛋白含量で表すよう改められた。
インフルエンザワクチンの接種は、0.5mlを皮下に、1回またはおよそ1〜4週間の間隔を置いて2回注射する。ただし6〜13歳未満では0.3ml、1〜6歳未満では0.2ml、1歳未満については0.1mlづつ2回投与する、と改められた(厚生省告示第296号)。年長者、成人などは、すでに何回かのインフルエンザ感染を経験しているであろうところから基礎的な免疫が多少なりともあるので、ブースター効果が期待され1回接種でも免疫獲得が可能であると考えられた結果である。高齢者などについては、わが国でも1回接種による免疫の獲得が実証されているが、小児をはじめブースター効果に疑問があるような場合には2回接種が必要となる。インフルエンザウイルスの変異が大きくみられたような場合にも2回接種が必要となるので、判断の材料の一つとしてインフルエンザサーベイランス情報が重要となる。
国立感染症研究所感染症情報センター 岡部信彦