エンテロウイルス71型(EV71)感染症−香港
(Vol. 21 p 224-224)
エンテロウイルス感染は小児が感染する疾病であり、通常自然軽快し、不顕性感染も多い。しかしながら、重篤なEV71感染例では脳や心臓に障害を引き起こすこともある。政府は1998年6月よりエンテロウイルス感染の症状の1つである手足口病のサーベイランスを立ち上げ、監視を続けている。1999年には22例のEV71感染が確認されており、うち1例が死亡している。また、2000年には2例がEV71感染と診断されている。1例目は3歳男児で軽快、2例目は5歳女児で、7月30日にEV71感染により入院、翌日に死亡している。この女児は感染時期に中国本土へ旅行しており、家族などの接触者には全く症状はみられていない。この例は散発的な輸入例であり、警告を出す必要はないとしている。
エンテロウイルスは糞口感染がほとんどであるが、飛沫感染もありうるので以下の注意が必要である。
・食事の前やトイレの後、おむつを替えた後には手をよく洗う。
・咳や鼻水が出るときにはマスクをする。
・換気をよくする。
・鼻水や唾液がついたおもちゃなどは清潔にする。
・子供が手足口病の症状を呈したら、医師の診断を仰ぐ。
・病気が治るまで出歩かない。
(2000年8月17日香港保健省:http://www.info.gov.hk/dh/new/bulletin/00-08-17e.htm)