献血血液におけるウイルス感染サーベイランス、1999年−英国
(Vol. 21 p 226-226)
1999年以降イングランド、ウェールズでは、HBs抗原、C型肝炎(HCV)抗体、HIV抗体および梅毒抗体検査が全献血血液になされ、すべて陰性のものだけが輸血用として供給されている。HIV抗体は1985年から、HCV抗体は1991年から検査されている。検査結果は献血者本人に知らされ、その後の献血中止や必要な治療が提供される。1999年からはHCVに対する核酸検査(NAT)が始まり、新鮮凍結血漿は9月からNATによってHCVRNA陰性の場合のみ供給されている。1999年には約200万献血がこの検査対象となっており、うち1件がHCV抗体陰性でNAT陽性であった。この献血者は25歳以下の男性で、繰り返し献血を行っていたが、その後抗HCV抗体も陽性となった。
1999年における、イングランドとウェールズの献血2,559,614例中306例が、上記ウイルスのいずれかが陽性となっており、10万献血当たり12例であった。この306例の陽性献血中202例(66%)がHCV、 87例(28%)がHBV(B型、C型とも陽性1献血を含む)、 18例(6%)がHIV陽性であった。新規献血者は全献血の11%だが、陽性中の78%を占めた。
(CDSC、 CDR、 10、 No.33、 296、 2000)