今冬のインフルエンザ総合対策について(平成12年度版)
(Vol.21 p 269-270)
「インフルエンザ。かかる前に予防。こじらす前に治療。」
1.はじめに
本年度の標語「インフルエンザ。かかる前に予防。こじらす前に治療。」を掲げて、国及び都道府県等(「都道府県、保健所を設置する市及び特別区をいう。」以下同じ。)は、本総合対策に基づいて、今冬(平成12年11月〜平成13年3月)のインフルエンザ対策に取り組んでいくこととする。
2.具体的対策
(1) インフルエンザ予防ポスターを作成し、電子媒体形式で配給:厚生省は、インフルエンザ予防のためのポスターの原画を作成し、インフルエンザホームページに電子媒体形式(PDFファイル等)他画像ファイルで掲載するので都道府県等においては、適宜活用(ダウンロード)され(独自に加工可)、医療機関、学校、職域等を始めとした普及を図り、国民にインフルエンザ予防を呼びかけることとする。
(2) インフルエンザ”Q and A”の作成・配布:厚生省と日本医師会感染症危機管理対策室、国立感染症研究所感染症情報センターは、毎年インフルエンザの流行シーズンに寄せられる質問項目の中で、頻度の高いものを整理した上で、対応する回答を作成して公表する。
(3)施設内感染防止対策の推進:インフルエンザウイルスは感染力が非常に強いことから、集団生活の場に侵入することにより、大規模な集団感染を起こすことがある。特に高齢者といったインフルエンザに罹患した場合の高危険群の者が多く入所している施設においては、まず、施設内にインフルエンザウイルスが持ち込まれないようにすることが重要である。したがって、厚生省は日本医師会感染症危機管理対策室とともに、インフルエンザウイルスの高齢者施設への侵入の阻止と侵入した場合のまん延防止を目的とした標準的な手引きを昨冬策定したので、引き続き都道府県等とともに各施設に普及していくこととする。その上で、各施設においては、施設内感染対策の委員会等を設置し、当該手引きを参考に、各施設の特性に応じた独自の施設内感染対策の指針を事前に策定しておくことが重要である。
なお、高齢者等の高危険群に属する者が多く入所している施設においてインフルエンザの流行が発生した場合には、都道府県等は、当該施設等の協力を得て調査を実施し、感染拡大の経路、感染拡大に寄与した因子の特定などを行うことにより、施設内感染の再発防止に役立てることが重要であり、国は、都道府県等から調査の実施に当たっての協力要請があった場合には、積極的に対応する。
(4) インフルエンザのインターネットホームページを新たに開設:
・厚生省ホームページ:http://www.mhw.go.jp |
↓(リンク) |
・国立感染症研究所感染症情報センターホームページ |
:http://idsc.nih.go.jp/index-j.html |
↓(リンク) |
インフルエンザホームページ: |
http://influenza-mhw.sfc.wide.ad.jp/ |
内容としては、インフルエンザ予防ポスター(PDFファイル他)、インフルエンザ”Q and A”、施設内感染予防の手引き、インフルエンザに関する特定感染症予防指針、インフルエンザ関連情報、インフルエンザ発生状況等(週間情報、学級等閉鎖情報、流行迅速把握情報、関連死亡情報)を準備が出来しだい逐次掲載し更新する。
ア.感染症法に基づくインフルエンザ患者発生状況の把握(週間情報):国は、感染症法に基づいて、各都道府県が選定した全国約 5,000箇所のインフルエンザ定点(約 3,000箇所の小児科定点を含む)で診断されるインフルエンザ患者について、オンラインで情報収集を行うとともに、集められた情報を分析し、その結果を感染症発生動向調査週報(IDWR:Infectious Diseases Weekly Report)等を用いて提供・公開を図る。
イ.学校等におけるインフルエンザ様疾患発生状況の把握(学級等閉鎖情報):国は、全国の保育所・幼稚園、小学校、中学校等においてインフルエンザ様疾患による学年・学校閉鎖が実施された場合に、その施設数とその時点においてインフルエンザ様疾患で休んでいる学童等の数を、各学校及び各都道府県教育担当部局の協力に基づき収集・分析し、その結果を毎週公表する。
ウ.インフルエンザ流行の迅速把握(流行迅速把握情報):インフルエンザ対策を的確に行うため、インフルエンザの臨床症状がその程度によっては、普通の風邪と見分けにくい場合があることからも、その鑑別診断を念頭に置き、かつ、インフルエンザの流行の特徴に鑑み迅速性に重点を置いた把握を行う必要があり、推進体制の整備を図る。
エ.インフルエンザ関連死亡の把握(関連死亡情報):インフルエンザの流行が与える影響及びインフルエンザウイルスの病原性について監視を行うため、関係機関の協力を得て、インフルエンザ関連死亡の把握を行うための調査を行う必要があり、推進体制の整備を図る。
(5) 相談窓口の設置:国は、インフルエンザ予防接種の意義、有効性、副反応等やインフルエンザの一般的予防方法、流行状況等に関する国民の疑問に的確に答えていくとともに、医療関係者からの専門的な質問にも応じられるよう、国立感染症研究所感染症情報センター内にインフルエンザ相談ホットラインを開設する。具体的な対応は以下のとおりとする。
・開設時期:平成12年11月6日〜平成13年3月16日 |
・対応日時:月曜日〜金曜日(祝日除く) |
9:00〜17:00 |
・電話番号:03-5285-1231 |
・FAX 番号:03-5285-1233 |
・E-mail :influenza@nih.go.jp |