世界のハンセン病−WHO
(Vol. 22 p 6-8)
WHOは1991年に、ハンセン病の制圧を公衆衛生問題と位置付け、西暦2000年までに人口1万人当たりの患者数を1名以下にするという、世界的な目標を掲げた。
最新の情報では世界で治療を受けた患者は約75万人、有病率は人口1万人当たり1.25である。98の国はWHOの目標を達成し、1,000万人以上の患者が多剤併用療法(MDT)によって治癒した。
表は各国の登録患者数(2000年1月1日現在)、有病率、年間新規患者数、年間患者発見率(10万人当たり)である。治療期間(1年、6カ月、一個の皮疹では1回のみ投薬)が終了すると登録から外すため、年間新規患者数が登録患者数より多くなっている(しかし国によっては登録から外していない場合もある)。
人口100 万人以上、有病率1万当たり1以上の国はほとんど熱帯地域で、患者数ではインドが最も多く、ブラジル、ミャンマー、インドネシア、ネパールなどが続いている。2000年までにWHOの目標を達成できない国は24あり、特に上位11カ国は有病率4.1である。
最近では、新規患者は毎年60万人〜70万人で、あまり変化はないが、これは患者発見活動の盛り上がりや、活動範囲の拡大などによるものである。なお1998年〜1999年にかけて、有病者数、新規患者数ともに約8%減少している。今後、ハンセン病患者の2/3がいるインドの動向が注目される。
(WHO、 WER、 75、 No.28、 226-231、 2000)