世界のAIDS/HIV感染状況(2)−WHO
(Vol. 22 p 8-8)
2000年11月15日時点のAIDS患者は2,312,860例が公式に報告されている。1999年11月から111,399増加し、多くはサハラ以南アフリカから報告されている。報告例数は実際の患者数の約10%と推定されており、報告割合の地域差は大きく、患者の多い発展途上国では低い。発症まで長期間を要するため、AIDSに関する報告は5〜10年前の感染状況を反映していると思われる。
サハラ以南アフリカから最近報告されたAIDS患者の90%以上が、異性間性的接触によって感染したと考えられている。先進国でのAIDS患者の感染様式は、異性間性的接触、同性/両性間性的接触、静注薬物濫用に均等に分布しているが、異性間性的接触の割合がHIV感染者およびAIDS患者双方で増加していることに注意を払う必要がある。
WHOヨーロッパ地域においては、静注薬物濫用によるAIDS患者は激減しているが、ベラルーシ、モルドバ共和国、ロシア連邦、ウクライナなどでのHIV感染増加は反映されていない。多くの東欧諸国ではAIDS患者の80%以上が静注薬物濫用によるものである。
AIDS患者のうち女性の占める割合は、サハラ以南アフリカで50%に近く、カリブ諸国、アジアのいくつかの国、北アフリカ/中東では40%ほどである。
わずかの国を除いて、多くのAIDS患者は15〜49歳代で報告されている。サハラ以南アフリカでは、AIDS患者の年齢分布に、母子感染による0〜4歳群と異性間性的接触による25〜39歳群の二つのピークがある。
(WHO、 WER、 75、 No.48、 386-392、 2000)