カボベルデでのポリオ集団発生
(Vol. 22 p 10-10)

2000年8月16日〜10月17日の間に、7人(21%)の死亡者を含む急性弛緩性麻痺(AFP)の患者33人が、カボベルデ(セネガルとモーリタニアの西の島国)から報告された。8人の患者から野生株のポリオ1型ウイルスが検出された。最初の患者は、首都Praiaの2歳の子供で、麻痺の発症は8月16日であった。この児は3回の経口ポリオワクチン(OPV)のうち、1回のみの接種であった。患者はSantiago島から22人、Sal島から7人、San Vincente島から3人、Maio島から1人報告された。AFP患者の年齢分布は3カ月〜38歳であり、5歳未満が11人(33%)、5〜14歳が15人(46%)、15歳以上が7人(21%)であった。5歳未満の患者では死亡例はなかったが、5〜14歳の患者のうち3人(致死率20%)、15歳以上の患者のうち4人(致死率57%)が死亡した。33人の患者のうち13人(39%)は計3回のOPV接種を受けていた。

2000年のカボベルデの人口は437,500人と推計されており、1995年以来、OPV 3回接種率は80%未満である。ポリオに対する大規模なワクチンキャンペーン、およびAFPサーベイランスは行われていなかった。この集団発生を受けて、10月16日から5歳未満のすべての子供に対して2回のOPV投与を行うことを目標とした大規模なワクチンキャンペーンが始まった。今回の集団発生の全体像を把握し、周辺国への拡大の危険性を考慮するため、カボベルデ保健省およびWHOにより調査が進行中である。

(CDC、 MMWR、 49、 No.47、 1070、 2000)

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