経口ポリオワクチンと腸重積
(Vol. 22 p 11-11)
経口ポリオワクチン(OPV)と腸重積の関連について、米国アトランタで2000年6月にワークショップが開催された。
OPVと腸重積についての合計8調査(カナダ1、英国5、米国2)の評価がなされた。このうち2つが、OPVと腸重積について関連ありと結論していた。ひとつは米国CDCがVaccine Safety Datalink(VSD)から得た調査結果で、OPVの2回目投与後に腸重積を発症する危険率が有意に増加したと報告している。米国では通常生後4カ月児に2回目のOPVを投与しており、この調査結果は主にOPV投与後22〜28日後の腸重積症例の増加によるものであった。他は英国でのHealth Episode Statistics(HES1)の研究から得られた調査結果で、生後4カ月児に対する3回目のOPV投与14〜27日後に、腸重積を発症する危険率が有意に増加したと報告している。両調査報告ともに、OPVの他の投与時期においての腸重積を発症する危険率の増加は報告していない。他の6調査は、いかなる投与時期や回数においても、OPVと腸重積の関連はないと報告している。
このワークショップは、これらの調査結果の解釈について様々な制限・限界を指摘したが、最終的に、OPVと腸重積の相関関係を証明することはできない、と結論付けた。
(WHO、 WER、 75、 No.43、 345-347、 2000)