今シーズンにおけるB型インフルエンザウイルスの初分離例−静岡県
(Vol.22 p 6-6)

症例は7歳男児で、発熱(39.0℃)、上気道炎を主訴とし、2000年12月6日に市立島田市民病院を受診した。病院検査室で実施したA型およびB型ウイルス抗原検出検査(インフルエンザOIA)で陽性を示した。

感染症発生動向調査により当研究所に搬入された鼻汁をMDCK細胞に接種したところ、培養4日目に細胞変性効果(CPE)が観察され、培養上清のシチメンチョウ赤血球に対するHA価は128を示した。MDCK2代培養上清を抗原として、感染研分与の2000/01シーズン用検査キットを用いてHI試験を行った結果、 HI価はB/Yamagata(山形)/16/88系統のB/Yamanashi(山梨)/166/98抗体(ホモ価640)に対して80、 B/Victoria/2/87系統のB/Shangdong(山東)/7/97抗体(ホモ価80)に対して<10を示したことから、分離株はB/Yamagata(山形)/16/88系統のB型インフルエンザウイルスと同定された。

島田市内では、本年8月にもオーストラリア旅行後の5歳女児から同系統のB型インフルエンザウイルスが分離されており、本分離株との関係が注目される。

静岡県環境衛生科学研究所 佐原啓二 長岡宏美 杉枝正明 秋山眞人
市立島田市民病院 後藤幹生

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