エコチャレンジ参加者でのレプトスピラ症の集団発生、2000年−マレーシア
(Vol. 22 p 67-67)
マレーシア・ボルネオ島で開催されたEco-Challenge-Sabah 2000(多種目のスポーツをチームで競う冒険レース、以下エコチャレンジ)の参加者にレプトスピラ症によると考えられる集団発生があった。米国も含め27カ国から304名が2000年8月21日〜9月3日のエコチャレンジに参加していた。
エコチャレンジ参加者304名中158名(うち126名は米国籍)52%に電話でのアンケート調査を行い、何らかの有症者が109名、「エコチャレンジ参加者で、8月21日以降の発熱の他に、悪寒、筋痛、頭痛、下痢、結膜炎のうちの2つ以上を満たすもの」という症例定義を満たすもの(以下症例)が68名であった。症例の年齢は、中央値が34歳(22〜50歳)で、73%が男性であった。発症日は9月4日が最も多く、罹病期間は中央値6日間(1〜19日間)であった。25人が入院していた。
血清を用いたレプトスピラ抗体検査では、症例の血清32検体中17検体が陽性であった。また、鑑別を要するデング熱、ツツガムシ病については、検査された4検体すべてが血清学的に否定された。
感染のリスクとなる行動については、「セガマ川での水泳」だけが統計学的に有意な関連性を示した。以上の調査結果からは、レプトスピラが原因であること、セガマ川が感染源であることが示唆された。(日本人参加者発症例の詳細は本月報Vol.22、No.1、p.5参照)
(CDC、 MMWR、 50、 No.2、 21-24、 2001)