髄膜炎菌感染症とメッカ巡礼−英国
(Vol. 22 p 67-67)

英国予防接種諮問委員会(Joint Committee on Vaccination and Immunisation)は2000年のメッカ巡礼者に関連した髄膜炎菌感染症の集団発生をうけて、英国からメッカ巡礼に参加する旅行者は従来のA、C群2価ワクチンではなくA、C、W135およびY群の4価ワクチンを受けることを推奨している。1987年のメッカ巡礼者に関連したA群髄膜炎菌感染症の集団発生のあと、メッカ巡礼が目的のサウジアラビア入国には髄膜炎菌ワクチン接種の証明書が必要となっており、それ以来2000年まで大きな流行は抑えられてきた。

2000年3月に英国PHLSがW135群髄膜炎菌感染症例の増加に気づき、その多くはメッカ巡礼者であることが確認された。疫学調査とW135群髄膜炎菌のPCR による実験室診断により、2000年12月末までに、8例の死亡例を含む45例がW135群髄膜炎菌の同じ株により集団発生をおこしたことが判明した。7例はメッカ巡礼者であり、22例は彼らとの接触歴があり、16例には明らかな接触歴はなかった。9カ月にわたって流行が持続しているのは、以前のA群髄膜炎菌の集団発生では認められなかった現象である。

(CDSC、 CDR、 11、 No.2、 2001)

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