呼吸器疾患散発事例からのエコーウイルス22型(パレコウイルス1型)の分離―広島県
(Vol.22 p 90-90)
広島県内では1999年9月〜10月および2000年5月〜12月にかけて、散発的に合計13名の呼吸器疾患患者からエコーウイルス22型(E22)が分離された。患者はいずれも発熱を伴う上気道炎あるいは下気道炎の症状を呈した7カ月齢〜2歳3カ月齢までの乳幼児で。性別は男10名、女3名であった。分離材料は咽頭ぬぐい液9、鼻汁3、便1である。当所では、感染症発生動向調査事業において採取された検体については、特定のウイルス分離を目的とする場合を除いて、BGM、 HEp-2、 RD-18S、 Vero、 FLおよびMDCKの各培養細胞を用いてウイルス分離を行っているが、E22は全例がBGM細胞(ミドリザルの腎由来細胞)で分離され、1例はHEp-2、 また2例はVero細胞でも併せて分離された。なお、分離ウイルス株の同定にはデンカ生研(株)のエンテロウイルス中和試験用混合血清、同単味血清、およびエコープール血清(EP95)を用いた。
広島県保健環境センター
高尾信一 福田伸治 島津幸枝 野田雅博 徳本靜代