アデノウイルス4型の流行−兵庫県
(Vol. 22 p 89-89)

兵庫県の一地域において2001年1月19日以降に咽頭結膜熱患者から採取された7名中5名の検体からアデノウイルス4型(以下Ad4)が検出された。今のところ、上気道炎患者1名を加えた6名から同ウイルスが検出され、1名の1歳児を除いて5〜9歳児が感染していた。プールを介した感染の可能性があったためプール水を調査したが、Adは検出されなかった。しかし、患者6中3名は同じプールを使用していたことから、同プールが関与した可能性は高いと推察された。

昨年の秋以降、同地域で咽頭結膜熱患者13名、および溶連菌感染症患者1名からAd3が14株分離されていたが、2001年に入って全く分離されなくなり、代わってAd4が検出され始め、3月現在も続いている。臨床症状は39℃以上の発熱(6/6)、結膜炎(3/3)、上気道炎(2/6)等であった。近年、Ad4の検出が少なかったことから、同ウイルスの流行に注意が必要と思われる。
(参考:最近のアデノウイルス月別検出状況 集計表グラフ)

兵庫県立衛生研究所 藤本嗣人 近平雅嗣 増田邦義
岡藤小児科医院   岡藤輝夫
国立公衆衛生院   西尾 治

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