海外旅行中の狂犬病への暴露−ドイツ
(Vol. 22 p 120-120)

Epidemiologisches Bulletinによれば、 2人のドイツ人がトルコ、 イラン、 パキスタン、 インド、 ネパールへの旅行中に狂犬病に暴露されたことで、 帰国後の2001年1月25日にチュービンゲンの病院を訪れた。2人は、 2000年11月に狂犬病予防接種を完了しており、 受診時に狂犬病予防の追加接種を受けた。2人は旅行途上の2000年12月22日にネパールで2カ月の犬を買った。犬は1月16日にイランのイスファハンで狂犬病予防接種を受けたが、 その後に凶暴になり、 1月21日に1人が咬まれた。もう1人は犬の唾液が手の傷に触れていた。この犬でのワクチン接種歴はワクチン証明に記録されているが、 ワクチンの詳細は不明である。犬はさらに凶暴になったため殺処分し、 ドイツでは違法であるが遺体を持ち帰った。この犬の剖検により狂犬病が確認された。

ほとんどの狂犬病症例は犬からの感染であり、 熱帯地域に1カ月滞在して狂犬病罹患リスクのある動物に咬まれる率は、 500〜1,000人に1人である。南、 東南アジアからの報告が最多であり、 ネパールでも罹患率が高く野犬も多い。近年東ヨーロッパ諸国からの報告が多く、 トルコにおいても犬の狂犬病が時々報告されている。

(Eurosurveillance Weekly、 No.11、 2001)

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