アデノウイルス7型の分離状況−新潟県
(Vol.22 p 114-115)
2000年11月〜2001年3月にかけて、ほぼ新潟県下全域から散発的にアデノウイルス7型(Ad7)が分離された(表)。
患者の内訳はインフルエンザ20名、咽頭結膜熱6名、扁桃炎・咽頭炎3名、感染性胃腸炎1名およびその他2名で、検体は咽頭ぬぐい液30件、便2件であった。患者の年齢は1歳〜15歳(平均4.8歳)で、性別は男14名、女18名であった。
ウイルスはHEp-2細胞(分離率100%)、HeLa細胞(同78%)、CaCo-2細胞(同75%)でよく分離され、同定にはデンカ生研の抗血清を用いて中和反応により同定した。
新潟県におけるAd7の分離は、1997年に5株、1998年に4株、1999年に2株分離されたのみで、1999年6月以来分離されていない。また、1995年以降全国的にAd7による重症例・死亡例が報告されていることから、今後の動向に注意したい。
(参考:最近のアデノウイルス月別検出状況 集計表、 グラフ)
新潟県保健環境科学研究所 新井礼子 渡邉香奈子 西川 眞 篠川 旦