麻疹の減少−デンマーク
(Vol. 22 p 146-146)
最近のEpi-News(http://www.ssi.dk)によると、 デンマークにおける麻疹報告数は、 1987年のMMR(麻疹・おたふくかぜ・風疹)ワクチンの導入以降激減している。1990〜1993年の4年間で586例であったが、 1994〜2000年の7年間で284例であった(1994年にデンマークにおけるサーベイランスシステムが変わり、 個々の症例における診断方法に関する情報が求められるようになった)。
1994年以降に報告された麻疹症例の42%は血清学的に確定診断(IgM陽性)を受け、 16%は臨床所見および確定例との疫学的関連があり、 残りの42%は臨床診断のみであった。1996年と1997年に麻疹集団発生により報告数は増加していたが、 その後の数年間は報告なしの状況が続いた。1995年以降、 報告例の相対的な年齢分布が変化し、 6歳以上の割合が増加した。
1990〜1993年までの報告例の61%がワクチン未接種者であり、 その25%が1歳以下であった。1994〜2000年については、 75%がワクチン未接種者で、 その13%が15カ月以下であった。Epi-Newsレポートは、 1994〜2000年の報告例のうち17%が入院し、 入院した例の割合が最も高かった年齢群は12歳以上(38%)であったことを記している。
Epi-Newsの著者らは、 麻疹流行予防のために高いワクチン接種率の維持が必要であることを読者に訴えており、 感染者の年齢群が高い方へ移行し、 入院や合併症の危険が増加していることや、 診断を確定することの重要性を強調している。
(Eurosurveillance Weekly、 No.13、 2001)