新生児破傷風排除(elimination)の評価−ジンバブエ
(Vol. 22 p 147-147)
ジンバブエの厚生省はWHO、 UNICEFとともに、 新生児破傷風が出生数1,000当たり1例以下と定義される排除の状態にあるかどうかの評価を行った。そのため、 同症の発生数、 衛生的分娩率、 妊婦の破傷風トキソイド接種率、 産前指導率、 3回のDTP接種率の5基準を用いて、 1998〜1999年の記録を評価した。その結果、 58地域中3地域が特に上記基準の充足率が低く、 2000年の評価が再度この地域で行われた。
3地域に150の産科定点を設定して、 1定点当たり20例の出産記録が収集された。最初の1,000出生で症例が認められなければ排除されている、 4例以上であれば排除されていないと判断し、 症例が1〜3例であればさらに2,000出生の記録が集められ、 計3,000出生で3例以下である場合も排除されたと判断された。実際、 2000年のジンバブエでは最初の1,000出生のうち、 新生児破傷風による死亡が1例認められた。そのためさらに2,000出生が評価された結果、 本症は認められず、 ジンバブエでの新生児破傷風の排除が確認された。しかし本症は、 排除は可能でも根絶(eradication)は不可能な疾患であり、 排除を継続する努力の必要性が強調された。
(WHO、 WER、 76、 No.14、 101-106、 2001)