島根県における2000年の手足口病の流行状況
(Vol.22 p 170-171)

島根県における2000年の手足口病の患者発生は県東部、 中部、 西部で5月(20〜22週)から始まった。その後の患者発生状況は地区によって異なり、 東部では9、 10月をピークとした1峰性の流行であったのに対し、 中部では8月と10月、 西部では9月と11月をピークとする2峰性の流行となった。いずれの地区も12月に患者数が激減し、 1月以降 0.1〜 0.5人/定点で推移し、 第12週で患者報告は0となった。離島の隠岐では8月と10月〜2001年3月に患者報告があった()。

手足口病患者169例 209検体からのウイルス分離状況は表1のとおりであり、 流行の主原因ウイルスはエンテロウイルス71型(EV71)であったが、 流行前期の6〜8月にはコクサッキーウイルスA(CA)10を中心にCA4、 CA5、 CA6が分離された。地区別にみると、 東部と西部はEV71、 中部は前半(〜8月)はCA10、 後半(9月〜)はEV71による流行であり、 さらに本年1月にはCA10 1株、 EV71 2株が分離された。隠岐では8月にCA6、 11月にCA16が各1株分離され、 EV71は本年1月に1株分離された。

EV71は当所でウイルス分離に用いているRD、 Vero、 HEL、 FL細胞のうちVero細胞に最も感受性があり、 分離率は地区によって異なるが、 咽頭ぬぐい液33〜50%、 水疱内容液33〜43%、 糞便21%であった。

本流行中に臨床診断で2回以上手足口病を発症した例を3例認めた。ウイルスが分離されていない症例もあるが、 EV71以外に複数種のウイルスが流行に関与していたことを示唆するものであろう(表2)。

なお、 手足口病患者に髄膜炎併発例は認められなかったが、 1カ月児(臨床診断名:咽頭炎)の咽頭ぬぐい液と髄液、 14歳児(臨床診断名:脳脊髄炎)の咽頭ぬぐい液からEV71が分離された。

本県では1990年以降、 EV71による手足口病は1〜2年おきに小流行があり、 1シーズンに2種類以上のウイルスが関与した年は秋、 冬まで流行がずれ込むことを経験しており、 今回も類似の発生状況であった。

島根県保健環境科学研究所 飯塚節子 武田積代 板垣朝夫

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