航空機内での髄膜炎菌感染症患者への暴露、 1999〜2001年−米国
(Vol. 22 p 199-199)

同一世帯、 保育園など接触が多い状況で髄膜炎菌感染症患者が発生した場合、 二次感染が発生する危険性は高い。航空機内も同様で、 米国CDCは8時間以上の飛行後14日以内に発症したものを"航空機旅行に関連した髄膜炎菌感染症"として定義している。

1999年2月〜2001年3月の間、 21事例がCDCに報告されているが、 現在のところ、 それらの症例からの二次感染は確認されていない。CDCは機内での接触のリスク評価と対策のマニュアルを作成し、 患者が搭乗した便の同乗者名簿と座席表を速やかに入手し、 二次感染の危険性が高い者には接触後24時間以内に抗生物質の予防投与を行うことが最も重要であるとしている。この場合、 同乗者の特定が困難である点が第一の問題として挙げられる。実際、 2001年にニューヨークで起こった事例では、 乗客名簿が不備であったため、 税関の申告書から手作業で同乗者を特定せざるを得ず、 困難を極めた。もう一つの問題として、 上記期間に機内で症状が発現した5事例中、 機長が患者発生を報告したのは1件のみだった点である。記載が完備され、 参照しやすい乗客名簿を長期保存することと、 患者発生を報告することの必要性を乗員に徹底させることの重要性が示唆された。

(CDC、 MMWR、 50、 No.23、 485-489、 2001)

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