ブルガリアでのポリオ輸入症例、 2001年
(Vol. 22 p 199-199)

WHOおよびブルガリア政府は、 WHOヨーロッパ地域では1998年11月トルコでポリオ患者が発生して以来のポリオ患者2例がブルガリアで発生したことを公表した。

4月中旬に黒海沿岸にあるBurgas市のジプシーの13カ月幼児から、 また、 5月中旬にBurgas市から90km西方でジプシーの2歳女児から、 ポリオウイルス野生株が分離された。周囲のジプシーの子供たちにはただちにポリオワクチンが接種された。患者から分離されたポリオウイルス野生株は、 北インドで流行しているポリオウイルス1型であると同定された。

ポリオ患者は100人の感染者に対して1例の割合で発生すること、 また、 離れた場所で数週間の間隔をあけてポリオ患者2症例が発生した状況を考えると、 ポリオウイルス野生株がジプシー社会のなかで広く循環している可能性が示唆される。ブルガリアでは5%の小児がポリオワクチン未接種であるので、 ポリオウイルス野生株の伝播を阻止するため早急にポリオワクチンを接種しなければならない。そのため、 ブルガリアでは5月28日より全国的なポリオワクチン接種キャンペーンを展開する。

(Eurosurveillance Weekly、 No.21、 2001)

今月の表紙へ戻る


IASRのホームページに戻る
Return to the IASR HomePage(English)

idsc-query@nih.go.jp

ホームへ戻る