愛媛県における今夏のエンテロウイルス検出状況
(Vol.22 p 198-198)
1.手足口病からコクサッキーウイルスA16型(CA16)の分離
愛媛県感染症発生動向調査によると、 2001年の手足口病の患者発生状況は、 2000年、 1999年に比べ、 発生時期、 患者数ともに緩やかであるが、 第22週あたりから徐々に増加傾向にある。現在11例のウイルス検索を実施しているが、 そのうち2例(5月28日採取の咽頭ぬぐい液と6月11日採取の水疱内容物)からCA16が分離され、 いずれもFL、 Vero細胞に感受性を示した。ウイルス抗原は代替フロン(HCFC-141b)で精製後、 自家製免疫血清で中和試験を実施したところ、 容易に中和された。
2.ヘルパンギーナからコクサッキーウイルスA5型(CA5)の分離
第21週以降ヘルパンギーナの患者発生が急増し、 第25週には1定点あたり 4.5人で現在も増加傾向にある。流行地域(県東部)の患者から咽頭ぬぐい液12検体を採取し、 ウイルス分離を実施した。その結果、 RD-18S細胞により5月14日採取の2例と6月4日採取の1例からCA5が分離された。現在、 ウイルス検索を継続中である。
愛媛県立衛生環境研究所 吉田紀美 山下育孝 近藤玲子 大瀬戸光明