エコーウイルス11型による無菌性髄膜炎の流行−北九州市
(Vol. 22 p 198-198)
無菌性髄膜炎の検体は毎月数件の搬入があるが、 2001年5月下旬より増加し始め、 6月は40件となり検体数の約60%を占め、 7月現在も続いている。
検体は北九州市および近郊から採取され、 患者の年齢も生後1カ月〜12歳までほぼ均一に分布し、 男女比は6:4である。
5月の中旬にヘルパンギーナと突発性発疹患者よりエコーウイルス11型(E11)が分離され、 その後すぐに髄膜炎からも1件分離された。
6月初旬以降採取の検体からは、 E11が髄膜炎より8件、 発疹症から1件分離され、 髄膜炎からの検体でCPEが出てE11と思われる同定中のものも数件ある。
ウイルスは、 HEp-2細胞で1検体を除き、 2代継代までに分離され、 そのうち5例はRD-18細胞でも分離できた。
同定は、 国立感染症研究所から分与された抗血清EP-95およびデンカ生研の抗血清を用いて中和反応により実施した。
このような単一ウイルスによる流行は、 1998年4月〜7月にかけてのE30による髄膜炎の流行以来である。
北九州市環境科学研究所 山本康之 木村尚志 内尾俊博