ヘルパンギ−ナ患者からのウイルス分離状況−奈良県
(Vol.22 p 219-219)
ヘルパンギ−ナと診断された患者の咽頭ぬぐい液 33件(検体採取 2001年5月7日〜7月12日)から、 A群コクサッキ−ウイルス(CA)2型 10株、 CA10 4株、 CA6 2株、 B群コクサッキーウイルス(CB)5型 4株、 CB4 1株を分離同定した。ウイルス分離はRD-18S、 HEp-2、 MA-104細胞と乳のみマウスを使用した。同定は、 デンカ生研製の抗血清による中和試験および国立感染症研究所分与の免疫マウス腹水による補体結合反応試験により行なった。CAは乳のみマウス(接種後4〜5日で麻痺発症)、 CBはHEp-2、 MA-104細胞で分離された。
CA10は県北部、 CA2は県中部を中心に分離される傾向にあった。分離同定された患者では発熱が全例にみられ、 38℃台3名、 39℃台15名、 40℃台3名であった。
なお、 本県の感染症発生動向調査によるヘルパンギ−ナ発生状況は、 5月末の第22週(1.29人/1定点当たり)から増加がみられ、 6月末の第26週(6.29人)より急増し、 7月中旬の28週(8.51人)をピ−クに以後減少傾向にある。
奈良県衛生研究所
足立 修 北堀吉映 田口和子 立本行江 青木喜也