無菌性髄膜炎の流行−ドイツ
(Vol. 22 p 260-261)
2001年第33週(8月11〜17日)にドイツのKassel保健局に対し、 Hesse州北部にある2つの病院から、 無菌性髄膜炎患者が増加していることが届け出された。患者は小児15名、 成人10名で、 頭痛、 発熱、 項部硬直、 嘔吐の症状を有し、 いずれも2〜4日後には回復した。Kassel保健局は、 原因究明、 流行状況の把握、 リスクファクターの把握のために調査を開始した。
開業医および市内の病院における積極的症例調査により、 Kasselおよびその隣接地区から無菌性髄膜炎患者が68例みつかった。患者68例全員の髄液を採取し検査した結果、 細菌は検出されず、 リンパ球の増加がみられた。7月15日に最初の届け出が患者が入院し、 31日に初めて1日に2名以上の無菌性髄膜炎患者が入院した。入院患者のピークは8月4〜19日までの間にみられた。最年少が3歳で最年長は50歳、 60%が5〜14歳。また、 40名が男性であった。27名がKasselの農村部、 22名がKasselの都市部、 11名が近隣地区在住者であった。リスクファクターを探るための症例対照研究が現在行われている。2病院から集められた髄液7検体を国立ポリオ・エンテロウイルスレファレンスセンターで検査したところ、 6検体がエンテロウイルスのPCRにより陽性を示し、 4検体からエコーウイルス30型が分離された。流行は現在も続いている。
(Eurosurveillance Weekly、 No.37、 2001)