肺炎球菌ワクチン未接種の老人ホーム入所者にみられた肺炎球菌性肺炎の集団発生、 2001年−米国
(Vol. 22 p 261-261)

ニュージャージー州のある老人ホーム(定員114名、 職員約200名)において、 2001年4月3〜24日に7例が肺炎球菌性肺炎を発症し、 うち4例が死亡した。調査を行ったところ、 職員には同期間内に肺炎症状を呈した者はいなかったが、 入所者の中から新たに2例の患者がみつかった。患者9例のうち7例は同じフロアに居住していた。年齢の中央値は86歳(78〜100歳)、 7例は女性であった。細菌学的診断が可能であった7例から得られた菌株の血清型や薬剤感受性の結果は同一であった。

この老人ホームにおいて行われた症例対照研究の結果、 肺炎球菌性肺炎の発症は肺炎球菌ワクチン(PPV)未接種と関連がみられた(オッズ比0、 95%信頼区間0〜0.7)。その他のリスクファクターでは、 明らかな関連を示したものは認められなかった。最初の患者が発生した4月3日の時点で108名の入所者のうち55名がPPV接種を受けていなかったため、 禁忌、 拒否などを除いた37名にPPVワクチン接種を行った。また老人ホーム側は、 PPV接種歴のない人の新たな入所を断ることとした。

(CDC、 MMWR、 50、 No.33、 707-710、 2001)

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