South Eastern Sydney Public Health Unit(東南シドニー公衆衛生局)は、 2000年12月に発症した麻疹患者5名について調査を行った。初発患者は31歳の男性で、 発疹と発熱により受診。診断は、 麻疹ウイルスIgM抗体陽性により確認。この患者は別の保健区域で麻疹ウイルスに職業上の暴露を受け、 感染したものと思われる。第2、 3例目の患者は1歳半と3歳の兄弟で、 地元の開業医の待合室において、 上記初発患者と数分間接触したことにより感染したものと推測された。後に、 第2例目の患者と保育園で接触があった5歳児と4歳児の2名が新たに感染した。感染した4名の小児は、 全員1歳時におけるMMRワクチン接種の記録があり、 また5歳児については、 4〜5歳にかけて2回目のMMRワクチン接種の記録を有していた。初発患者に加え、 4名の小児患者中3名が検査室で確定診断された。2例から麻疹ウイルスIgM抗体が検出され、 2例は咽頭ぬぐい液から麻疹ウイルス抗原が直接免疫蛍光法により検出された。
(Australia CDI、 25、 No.1、 19、 2001)