2000/01シーズン北半球ではインフルエンザウイルスA(H1N1)、 A(H3N2) およびB型が分離され、 主に流行したのはA(H1N1)、 B型であった。
米国では2001年5月は主にB型インフルエンザウイルスが報告されたが、 6月、 7月にはA(H1N1)とA(H3N2)型が数例報告された。
アジア・オセアニアでは2001年5月〜9月25日までにA(H1N1)とB型がみられた。A(H3N2)型の活動性は低かった。アフリカと南アメリカではA(H3N2)とB型が主に見られた。
5月〜9月25日までに北半球と南半球両方から集められた25株のA(H1N1)型ウイルスのうち、 24株がA/New Caledonia/20/99の類似株であった。1株は抗原性がやや違っていた。また、 同様に集められた67株のA(H3N2)型ウイルスのうち、 61株がA/Panama/2007/99と類似しており、 6株が抗原性をやや異にしていた。
現在流行しているB型ウイルスは、 B/Yamagata(山形)/16/88とB/Victoria/2/87の二つの遺伝子系統に分けられる。B/Victoria系統は1991年以前には広く流行していたが、 現在はアジアでのみ見られ、 1990年以降はB/山形系統が世界に広がっている。
世界各地から集められた54株のB型ウイルスのうち、 37株(69%)がB/山形系統、 17株がB/Victoria系統であった。B/山形系統に属していた37株中35株がワクチン推奨株と類似していたが、 2株は抗原性がやや違っていた。
WHOの北半球2001/02シーズン用推奨株はA/New Caledonia/20/99(H1N1)、 A/Moscow/10/99(H3N2)、 B/Sichuan(四川)/379/99様株である。
米国の今シーズンのワクチンは、 A(H1N1)型はA/New Caledonia/20/99株、 A(H3N2)型はA/Moscow/10/99と抗原性が同じであるA/Panama/2007/99株、 B型はB/Johannesburg/5/99、 B/Victoria/504/2000 、 B/Guangdong(広東)/120/2000のいずれかをB/Sichuan/379/99様株として採用している。米国では3社が約7,900万回分のワクチンを生産する予定であるが、 ワクチンの配布が遅れる見込みがあるため、 ハイリスク集団を優先的に接種するよう薦めている。
(CDC、 MMWR、 50、 No.38、 822-825、 2001)