汚染ヘロインによる重症敗血症(2000年の最終報告と2001年の現状)−スコットランド他

(Vol.22 p 297-297)

2000年にノルウェー、 スコットランド、 アイルランド、 イングランドで経静脈薬物常用者に多発した重症敗血症の最終報告書が公表された。これはClostridium novyi に汚染されたヘロインを注射して、 局所の重症な膿瘍から多臓器不全を生じるもので、 スコットランド、 イングランド、 アイルランドで 109名が罹患し、 スコットランドでは23名が死亡した。報告書には、 確実な早期診断を可能にする手順、 経静脈薬物常用者への危険性の周知など、 12項目の提言がなされている(http://www.show.scot.nhs.uk/gghb/PubsReps/Reports/druginfect.pdf参照)。

一方、 2001年にもスコットランドで同様の症例が9例確認され、 英国の保健当局は汚染されたヘロインが再度市場に出回っているという警告を発した。今回の症例は2000年の症例に比較して重症度が低く、 A群溶連菌とClostridium perfringens の混合感染であり、 昨年の集団発生との関連は現在のところ不明である。

(Eurosurveillance Weekly、 No.41、 2001)

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