予防接種法の一部を改正する法律
(Vol.22 p 313-315)
厚生労働省健康局結核感染症課

1.法改正の背景

 ・平成6年改正法附則により5年後の見直しが必要
 ・高齢者がインフルエンザに罹患した場合の肺炎併発・死亡が社会問題化
 ・わが国においてもインフルエンザの予防接種が高齢者の発病防止や特に重症化防止に有効であることが確認されたこと。

2.法改正の内容()

 (1)インフルエンザの追加:高齢者等を対象としてインフルエンザの予防接種を促進するため、 対象疾病にインフルエンザを追加する。
 (2)対象疾病の類型化
 ・現行法の対象疾病は、 集団予防目的に比重を置いて予防接種を行うものであり、 努力義務を課している。
 ・これに対して、 インフルエンザは、 個人予防目的に比重を置いて予防接種を行うものであり、 努力義務は課さない。
 →対象疾病の類型化が必要。
  インフルエンザは、 二類疾病に位置付けて追加する。

 一類疾病:その発生及びまん延を予防することを目的として予防接種を行う疾病(集団予防目的に比重を置いた疾病)

 二類疾病:個人の発病またはその重症化を防止し、 併せてこれによりそのまん延の予防に資することを目的として、 予防接種を行う疾病(個人予防目的に比重を置いた疾病)

 (3)健康被害の救済:二類疾病の予防接種についても予防接種法に基づいて、 公的関与の下に実施されるので、 これに起因する健康被害に対しては、 公費による救済を行う。

なお、 二類疾病の予防接種は、 1)個人予防目的に比重を置いていること、 2)努力義務を課さず被接種者の判断に基づいて行うものであり、 一般の医療(任意の予防接種)と同様の性格を有すること等から、 その救済の水準も、 医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法と同程度とする。

4.法改正による効果

 ○高齢者を対象として公費による予防接種を実施
  (一部実費徴収あり)
 ○公費による健康被害の救済を実施

5.施行期日

 公布の日(平成13年11月7日)
(注1)同内容の法律案を第 147回国会に提出していたが、 衆議院の解散に伴い廃案となった。第 151回国会に再提出した法律案は、 衆議院において修正が行われた。
(注2)附則で5年後の見直し規定

*詳細はhttp://www.mhlw.go.jp/topics/bcg/tp1107-1.htmlを参照下さい。

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