米国での生物テロ関連の炭疽と、 抗菌薬の予防投与に伴う副作用:更新情報−CDC
(Vol.22 p 322-322)

2001年11月7日までに、 CDCの症例定義によると22例の炭疽症例が確認されている。10例は肺炭疽の確定診断例であり、 12例(うち7例は確定例、 5例は疑い例)は皮膚炭疽であった。症例の多くは、 炭疽菌が混入された郵便物を扱った郵便局と、 炭疽菌の混入が確認されたか疑われた郵便物を取り扱った報道機関で発生した。

肺炭疽を予防するために疫学調査、 臨床検査を行い、 炭疽菌に暴露した可能性がある約32,000人に抗菌薬の予防投薬が開始され、 そのうち約5,000人については60日間の内服継続が勧められている。また、 環境の消毒と症例のサーベイランスが継続されている。

フロリダのある会社において、 炭疽菌に暴露された可能性があるため、 10月8日〜10日の間に計1,132人が初期の予防投薬(うち970人はシプロフロキサシン投与)を受けた。投与開始後14日を経過した時点で、 調査可能であった1,000人のうち797人が抗菌薬の投与を継続していた。投薬の副作用を調べる目的で、 投与7日目もしくは14日目にアンケート調査が行われた。投薬を受けた490人のうち95人(19%)に症状(かゆみ、 呼吸困難、 顔面・頸部・のどの腫脹、 その他の医療機関を受診するほどの症状)のいずれか(複数を含む)が認められた。95人のうち6人が医師の診察を受け、 副作用のために投薬を中止した。

(CDC、 MMWR、 50、 No.44、 973-976、 2001)

参考:生物テロ関連サイト
1)厚生労働省ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/index.html
 「国内の緊急テロ対策関係」
 「米国の同時多発テロ関係」

2)CDCのEmerging Infectious Diseases
http://www.cdc.gov/ncidod/eid/index.htm
  Vol.7, No.6, Nov-Dec 2001に、 今回の米国での肺炭疽10例の臨床的所見の詳細が掲載されている。

3)WHOのガイドライン「生物化学兵器に対する公衆衛生的対策」
http://who.int/emc/pdfs/BIOWEAPONS_exec_sum2.pdf

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