レジオネラ症集団発生事例−ノルウェー

(Vol.23 p 18-18)

ノルウェー西部のスタバンゲルで、 レジオネラ症の集団発生事例があった。26例の確定例と2例の疑い症例が発生し、 7例が死亡した。症例は16歳〜94歳(中央値54歳)で、 死亡例は43歳〜94歳(中央値81歳)あった。28名中21名が男性であった。

最初の患者発生は2001年7月18日、 最後は9月7日。9名よりLegionella pneumophila 血清群1が分離された。28名中21名が周辺地区住民、 5名がノルウェー国内の旅行者、 2名が海外からの旅行者であった。

全患者が、 発症日よりさかのぼって10日以内に市の中心部を訪れており、 うち3名が同地区のあるホテルに宿泊していた。そのホテルの冷却塔よりL. pneumophila 血清群1が分離されたが、 その外部装置はバス停留所の近くの、 地上5mの地点に設置されていた。患者からの分離株と冷却塔からの分離株の遺伝子解析より、 これら二つは類似しており、 かつノルウェーでの他の分離株とは異なることが判明。8月29日に冷却塔は撤去され、 最終症例の発症は撤去9日後であった。

今回の調査は関係諸機関の協力で成功した。今後の集団発生を予防するため、 ホテルやシステムエンジニア、 保健専門家を含めた情報提供プログラムが予定され、 同国のガイドラインも、 欧州レジオネラ感染作業部会(EWGLI)による指針をもとに更新される。

(Eurosurveillance Weekly、 No.47、 2001)

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