黄熱の輸入例−ベルギー

(Vol.23 p 18-18)

ベルギーにおいて輸入黄熱例が確認された。症例は1954年生まれの白人女性で、 黄熱ワクチンを接種せずに息子とガンビア旅行へ行った。2001年11月1日ベルギーより直行便でガンビアのバンジュールに到着し、 その後セネガル国境付近も含むガンビア各地を訪れた。11月7日に高熱、 悪寒、 筋痛、 脱力感にて発症、 11月8日にオランダへ戻った。11月9日下痢、 吐気、 高度の脱力感を認め、 11月10日ベルギーの病院に入院となった。解熱はしたものの無尿、 高度の肝機能異常を認めていた。11月11日に血漿がドイツのベルンハルト・ノッホ研究所に送られ、 翌12日にはRT-PCRにより黄熱との診断が確定した。

11月13日に注射部位と消化管からの出血があり、 その日の午後より意識レベルが低下し、 人工呼吸管理となった。ロベルト・コッホ研究所から供与された高純化ネズミ中和抗体による治療を3回受け、 また肝移植の準備が始められるも、 翌朝大量の消化管出血とともにショックとなり死亡した。息子は発症しなかった。

WHOは、 黄熱発生地域に旅行する場合、 その国から公式な黄熱の報告がなく、 入国時に黄熱予防接種証明書を求められなくても、 ワクチン接種を強く勧告している。

(Eurosurveillance Weekly、 No.47、 2001)

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