米国カリフォルニアでの暴露によるコクシジオイデス症、 2001年−フィンランド&英国

(Vol.23 p 42-43)

ヨーロッパにおいて2例がコクシジオイデス症と診断された。1例目は50代のフィンランド人男性で、 2001年10月中旬より悪寒、 発熱で始まり、 重度の呼吸器症状を呈し、 フィンランドの病院に入院した。胸部X線写真では肺炎様の浸潤影を示した。抗菌薬の投与により自覚症状は軽快したが、 X線所見は改善をみなかった。血清学的診断によりコクシジオイデス症の診断がつき、 抗真菌剤の投与が開始された。2例目は英国在住70代男性で、 11月末から寝汗、 咳、 発熱、 筋肉痛、 関節痛、 倦怠感を認め、 入院となった。初期治療に反応し退院したが、 2週間後に再発し再入院となった。気管支肺胞洗浄液よりCoccidioides immitis が分離され、 コクシジオイデス症と診断された。

これらの患者2名は2001年10月5日〜14日に米国カリフォルニア州カーン郡・ロストヒルズ渓谷で開催された模型飛行機の世界大会に参加していた。大会後、 両名はカリフォルニアを数日間旅行したのちに帰国した。カーン郡はコクシジオイデス症の発生率が高い地域であり、 住民の30%は抗体陽性である。大会参加者には、 「この時期(秋の乾燥したほこりっぽい気候)は、 コクシジオイデス症にかかるリスクが高い」などと記した注意書が配布されていた。この大会は30カ国からの参加者による国際的なイベントであり、 そのうち24カ国はヨーロッパの国々であった。日本からも10名が参加者していた。

(Eurosurveillance Weekly 、 No.50、 2001)

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