米国において野兎病は1911年に第1例目がみつかり、 それ以来ハワイを除くすべての州から患者の発生が報告されている。野兎病は1994年にサーベイランス対象疾患のリストから除かれたが、 野兎病菌が生物兵器として使われる懸念がでてきたため、 2000年に再びサーベイランス対象疾患となった。1990〜2000年の間にCDCに報告された野兎病は1,368例であり、 44の州から報告があった。なお、 アーカンソー、 ミズーリ、 サウスダコタ、 オクラホマの4つの州から56%の症例が報告された。発生率では5〜9歳と75歳以上の年齢群が最も高かった。すべての年齢群において男性の方が女性より発生率が高かった。また、 アメリカインデイアンとアラスカ先住民の間での発生率が高かった。発症日が判明している症例のうち70%は5〜8月に発生がみられたが、 通年の患者発生が報告されている。
(CDC、 MMWR、 51、 No.9、 181、 2002)