2002年2月1日〜14日に約100人の学生が結膜炎の症状を訴え、 大学の健康センターを訪れた。当初ウイルス性の結膜炎の可能性もあると考えられたが、 12例の眼より採取された検体のすべてから肺炎球菌が分離された。調査の結果、 5,060名の学生のうち493名(9.7%)は肺炎球菌性結膜炎が疑われ、 そのうち81名(1.6%)は細菌学的に確定診断された。発生率は1年生において最も高かった(18%)。一部の症例からの検体についてはアデノウイルスの培養も試みられたが陰性であった。分離された菌株はCDCで検査されたが、 血清学的分類は不可能なタイプであった。
学校の保健担当者は手を頻回に洗うこと、 タオル、 コップなどの器具の共用を避けること、 また結膜炎の症状を呈した者は健康センターを受診すること、 などを学内に広報した。結膜炎の症状を呈した者は抗菌薬の点眼にて治療が行われた。また、 すべての学生に、 手指の消毒のためにアルコールを主成分とする抗菌塗布剤が配布された。
(CDC、 MMWR、 51、 No.10、 205、 2002)