1.今回の報告期間は平成14年4月1日〜平成14年6月30日までの3カ月であり、法定報告に基づく新規HIV感染者報告数は149件、新規AIDS患者報告数は77件であった。
2.感染経路別に見ると、HIV感染者では男性同性間性的接触によるものが77件(約52%)と第1位であり、そのうち75件が日本人男性であった。また、異性間性的接触による新規感染者報告数は49件(約33%)であり、感染経路として依然重要である。
一方、AIDS患者では異性間性的接触によるものが33件、同性間性的接触によるものが17件で、前回同様、異性間性的接触によるものが多い。
3.年齢別では、前回同様、HIV感染者・AIDS患者ともに各年齢層に分布しているが、HIV感染者では20代〜30代、AIDS患者では30代以上の占める割合が高い。今回は10代のHIV感染者に男性3件、女性2件があり、若年者のHIV感染者の存在が注目される。性別でみると、HIV感染者・AIDS患者とも男性が8割以上を占めており、これは前回同様の傾向である。
4.平成14年4月〜6月末までの保健所におけるHIV抗体検査件数は11,129件、相談件数が25,711件であり、前年同時期と比較すると減少している(平成13年4月〜6月末までの検査件数は18,369件、相談件数は36,456件)。
5.平成14年1月〜6月の献血件数(速報値)は2,857,805件で、そのうちHIV抗体陽性件数は27件、10万件当たりの陽性件数は0.945件と前年より少なかった(平成13年1月〜6月末までの10万件当たりの陽性件数は1.024件)。
6.今回の報告では、HIV感染者・AIDS患者ともに前回報告数と比べると増加しているが前年同時期と比較するとほぼ同様の件数であった。HIV感染者のうち男性同性間性的接触による感染者は52%(前年同時期56%)、またAIDS患者のうち異性間性的接触による男性患者の比率は33%(前年同時期32%)と依然として高い数値を示している。特に男性同性間および異性間性的接触への対策を充実することが急務であることは前回と同様であるが、若年者への対策の充実も必要である。