カンパーニャ地方での麻疹流行、 2002年−イタリア

(Vol.23 p 232-233)

イタリアではMMRワクチンが接種されている。さらに、 1999年に保健省は24カ月齢の幼児に対するキャッチアップキャンペーンと、 2回目の接種の推奨を行っている。しかし、 2000年の時点でも全国のワクチン接種率は推定80%以下であり、 南部の地域の多くは60%以下であった。

1996年以降麻疹の流行は認められていなかったが、 2002年1〜5月の間に麻疹の定点サーベイランス報告数がカンパーニャ地方で急増した。過去2年間の報告総数が18例であったのに対し、 この期間に981例が報告されている。1〜5月の推定発症率は、 14歳以下の小児10万人当たり2,300人になる。これを14歳以下の同地方の人口に当てはめると、 推定24,000人の発生となる。症例のうちワクチン接種率は6%であり、 最も高い1〜4歳児のグループでも8%であった。この地方全体の麻疹ワクチン接種率は、 1998年出生の小児で65%であった。この接種率を1〜4歳児群に当てはめると、 ワクチンの有効性は95%であった。カンパーニャ地方の中でも、 特にワクチン接種率の低い2地域において発生率が高かった。

5月までに368人が麻疹のため入院した。このうち63人が肺合併症を生じ、 13人が脳炎となり、 3人が死亡した。死亡したのは6カ月、 4歳、 10歳の小児であった。

今回の流行を受け、 6カ月からのワクチン接種と6〜12カ月にワクチンを受けた後1年経過した小児の再接種、 さらにワクチン未接種者や麻疹の罹患歴のない者に対するワクチン接種が勧められた。

(Eurosurveillance Weekly、 No.27、 2002)

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