Salmonella Javiana感染の集団事例、 2002年6月−米国・フロリダ州

(Vol.23 p 258-258)

2002年7月16日ミネソタ州衛生部は、 6月25〜29日にフロリダ州オーランドのテーマパークAで開催された2002年全米移植者競技大会の参加者からSalmonella Javianaの感染者2名を同定した。パルスフィールド・ゲル電気泳動(PFGE)による解析では、 両患者からの分離菌株のパターンは一致していた。この大会は、 臓器および骨髄移植のレシピエントによる運動競技会である。大会には、 米国および海外5カ国から1,500名のレシピエントを含む約6,000名が参加していた。

7月20日、 競技者、 ドナー、 家族、 移植専門家を含め、 電子メールアドレスの判明した 1,100名の参加者にweb ベースによるサーベイを行った。オーランドを訪れて6月25日〜7月7日に発熱、 もしくは下痢を生じた者を症例定義とした。369名(34%)が8月1日までに回答した。94名(25%)は、 家族の最低1人が症例定義に合致していると報告し、 患者は 141名にのぼった。さらに詳細情報を回収したところ、 82名が症状を報告した。その中央値は47歳(4〜71歳)で、 48名(59%)がレシピエントであり、 43名(52%)が免疫抑制剤の投与を受けていた。発症日は6月26日〜7月7日であった。主な症状は下痢(93%)、 腹痛(79%)、 および発熱(51%)であった。3名(4%)が入院した。オーランドでの滞在場所、 参加したイベント、 摂食物について質問した結果、 51名(66%)の患者が期間中テーマパークA内のリゾートホテルに宿泊し、 75名(91%)がテーマパークA内の施設で食事を摂っていた。

7月31日には最初に回答を得た369名に対し、 テーマパークAでの可能性ある推定原因食に関する質問を含めて、 2回目のwebベースによるサーベイを行った。患者に関しては発症前3日間、 無症者に関しては大会の中3日間(6月26〜28日)について喫食調査を行った。8月2日までに計 222名(60%)から回答を得て、 41名が有症であった。一変量解析から有症者は無症者に比べて、 カットされたトマトを含む食事を摂っていた者が有意に多かった(無症者14%に対し有症者44%;オッズ比4.3;95%信頼区間=2.1〜 9.1)。予備的な微生物試験からは、 大腸菌群によるカットトマトの汚染が示された。

これ以外の潜在的なS . Javiana感染症例を同定するため、 本集団事例株のPFGEパターンをパルスネットに参照した。PFGEパターンの一致したS . Javiana感染症例が、 9つの州でさらに18例同定された。うち、 16名に関して聞き取り調査を行ったところ、 1人は大会参加者、 他の12名は6月最終週にテーマパークAを訪れていたが、 大会には参加していなかった。発症日は6月24日〜7月8日であった。連邦および地方衛生部はさらに症例を調査し、 本集団事例との疫学的関連性を調査中である。

(CDC、 MMWR、 51、 No.31、 683-684、 2002)

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