1.今回の報告期間は平成14年9月30日〜平成14年12月29日までの約3カ月であり、 法定報告に基づく新規HIV感染者報告数は139件、 新規AIDS患者報告数は61件であった(前回:HIV感染者184件・AIDS患者100件)。
2.感染経路別に見ると、 HIV感染者では同性間性的接触によるものが77件(55%)と第1位であり、 そのうち73件が日本人男性であった。また、 異性間性的接触によるものは45件(約32%)であり、 感染経路として依然重要である。
一方、 AIDS患者では異性間性的接触によるものが30件(前回34件)、 同性間性的接触によるものが16件(前回33件)で、 異性間性的接触によるものが多い。
3.年齢別に見ると、 HIV感染者では20代〜30代の占める割合が高く、 特に20代が30代を上回っている。AIDS患者では30代以上の占める割合が高く、 40代以上の割合が37件(約61%)であった。
性別で見ると、 HIV感染者・AIDS患者ともに男性が8割以上を占めており、 これは前回同様の傾向である。
今回の報告ではHIV感染者・AIDS患者ともに前回報告数と比べより低いものの、 20代のHIV感染者報告数は増加している。
4.平成14年の新規HIV感染者報告数(速報値)は前年最終報告に比べて現在のところ26件少ない595件、 新規AIDS患者報告件数(速報値)は前年最終報告に比べ現在のところ31件少ない301件であった。この値から、 HIV感染者・AIDS患者ともに前年より低い数字となることが予想される。
5.平成14年10月〜12月末までの保健所におけるHIV抗体検査件数は14,988件、 相談件数が29,041件であり、 前年同時期と比較すると減少している(平成13年10月〜12月末までの検査件数は17,433件、 相談件数は35,925件)。
6.平成14年1年間の献血件数(速報値)は5,784,101件で、 そのうちHIV抗体陽性件数は82件、 10万件当たりの陽性件数は1.418件であり平成13年の1.368件を上回った。
7.平成14年の速報値からはHIV感染者・AIDS患者ともに前年より低い数字になることが予測されるものの、 献血陽性件数、 20代のHIV感染者数等の状況をみると、 これまで同様、 予断を許さない状況に変わりはない。これまで以上に検査体制を整備する等、 感染予防および早期発見の促進を図るとともに、 様々な機会をとらえ各年代層を対象とした広範な予防啓発が急務である。
(平成14年9月30日〜12月29日)
平成15年1月31日
(Vol.24 p 40-40)
今月の表紙へ戻る
IASRのホームページに戻る
Return to the IASR HomePage(English)