農業漁業保護省(AFCD)が香港の2養鶏場でのトリインフルエンザの集団発生と、 野生のアヒルの散発的死亡例の報告をした。予防策として、 16,000羽のニワトリが処分され、 中国本土から搬入された生きたニワトリの取り引き場の一つが閉鎖され、 消毒が実施された。インフルエンザウイルスAH5型が分離されたが、 1997年に6名の死亡例の原因となったインフルエンザウイルスA(H5N1)型とは異なる株であった。
インフルエンザウイルスA(H5N1)型によるトリインフルエンザは、 香港では2001年5月と2002年2月に集団発生したが、 ヒトへの感染はなかった。1999年のインフルエンザウイルスA(H9N2)型によるトリインフルエンザは、 香港の2人の子供に感染したがともに軽症であった。
2002年2月のトリインフルエンザ集団発生の後、 香港当局は養鶏場におけるワクチンプログラムに力を入れ、 養鶏によりヒトへの感染が起こりやすい環境の改善を呼びかけている。中国本土からのニワトリの搬入によるトリインフルエンザウイルス感染のリスクが持続する中、 トリインフルエンザのサーベイランスが高い水準で実施されている。
(Eurosurveillance Weekly、 7、 No.3、 2003)