イングランド、 ウェールズ、 北アイルランドの梅毒−英国

(Vol.24 p 69-69)

英国では過去20年間継続的に感染性梅毒の診断数が減少していたが、 1998年から増加に転じた。ロンドンでは感染性梅毒の診断は、 1998年の54例から2001年の 336例に増加しているが、 この大部分は同性間性的接触をする男性(MSM)での感染者が急増したためで、 この増加傾向はまだ続いている。泌尿生殖器科クリニックのデータ(KC60 dataset)によると、 2000年から2001年に感染性梅毒は118%増加しているが、 MSM では187%の増加であった。2001年には1期と2期梅毒の診断は715例(男性613例、 女性102例)であった。

2001年4月に新たな強化サーベイランスプログラムが開始されてから、 2002年12月までに770例の感染性梅毒(男性690例、 女性80例)が報告され、 その81%がMSMであった。ロンドンのMSMで梅毒と診断された症例の50%以上はHIVにも感染していた。これは、 頻繁にパートナーを変更する集団の中でHIV感染が多いこと、 ロンドンのMSMの中で安全でない性行為が増加し続けていること、 梅毒感染集団とHIV感染集団の重なりがあること、 これらの病気に疫学的に相乗性があること、 などを反映している。

(CDSC、 CDR Weekly、 13、 No.4、 2003)

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