スコットランドのHIV感染の報告は1987年以降毎年134〜182例であったが、 2002年には250例みられ、 分岐点となる年であった。2002年は異性間性的接触による感染者が67%増え、 125例の報告があったが、 そのほとんどはアフリカ国籍の人が自国でHIVに感染し、 スコットランドで診断されたものであった。外国でHIV曝露を受けていない人が、 通常アフリカやアジアで見られるサブタイプのHIVにスコットランドで感染したことを示唆する証拠がいくつかあり、 日常的な無防備な性行為によりHIVに感染する危険は年々増加し続けている。
同性間性的接触をする男性のHIV感染は2001年までの2〜3年は減少していたが、 2002年はやや増加がみられた。この集団では梅毒や淋病の発症率も最近増加しており、 HIV感染の増加も密接に関与していると思われる。
(SCIEH Weekly Report、 37、 No.2003/03、 2003)