病原性の高いトリインフルエンザ流行中にみられたヒトへのトリインフルエンザ感染例、 2003年−オランダ

(Vol.24 p 92-92)

2003年3月初めに、 病原性の高いトリインフルエンザ(highly pathogenic avian influenza:HPAI)の流行がオランダのいくつかの農場で報告された。

一人の職員が、 HPAIが流行したいくつかの農場を訪れた後、 急性結膜炎を発症し、 臨床検体より感染鶏と同じインフルエンザウイルスA/H7N7型が確認された。この事例をうけて、 結膜炎もしくはインフルエンザ様症状を呈したすべての職員に対し検査を実施したところ、 さらに4名のインフルエンザウイルスA/H7N7型陽性者を確認し、 約30名が検査中である。

2003年3月現在、 オランダではヒトインフルエンザが流行のピークを迎えている。ヒトインフルエンザとトリインフルエンザの重複感染を起こした場合、 可能性としては非常に少ないものの、 遺伝子の組み換えによりヒトにとって危険なウイルスが出現することが考えられる。

ヒトのHPAI感染を予防するため、 農場の職員に対して就業時のマスク・めがねの着用、 ヒトインフルエンザワクチンの接種などが推奨されている。また、 積極的なサーベイランスが行われており、 さらに感染が確認された農場の清掃に当たった全職員に対するヒトとトリ両インフルエンザの検査が行われることとなった。

(Eurosurveillance Weekly、 7、 No.11、 2003)

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