狩猟後のパーティーに参加した男性の神経変性疾患、 2002年−米国・ウィスコンシン州

(Vol.24 p 92-93)

神経変性疾患のひとつの原因であるプリオン病は、 プリオン蛋白が中枢神経を侵すことで起こる病気である。最近の知見では、 プリオン病は種を越えて感染が成立するとされ、 ウシからヒトへの感染(新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病:vCJD)が報告されており、 慢性消耗性疾患(chronic wasting disease:CWD)として知られているシカやヘラジカの伝染性海綿状脳症もヒトへ感染する可能性が指摘されている。

1993〜99年の間に、 ウィスコンシン州北部で開催された狩猟後のパーティーに参加した3人の男性が神経変性疾患によって死亡していたことが明らかになった。この3人のうち1人だけがCJDの確定診断を受けた。CJDとCWDの間の関連性は明らかでないが、 CWDがヒトへ感染する可能性を評価するために、 引き続きCJDとCWDのサーベイランスを実施する必要がある。

3人の中の1人が開催するパーティーに参加した53人中45人の調査を行ったが、 45人のうち34人は狩猟に参加していた。34人中7人が死亡していた。この中に今回報告された3人が含まれており、 シカ肉を食べていた。7人のうちの4人には神経症状はなかった。今後、 vCJDと同様の経路でCWDがヒトに感染する可能性を検討していかなければならない。

(CDC、 MMWR、 52、 No.7、 125-127、 2003)

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