2003年3月上旬、 トリインフルエンザ(インフルエンザウイルスA/H7N7型)の発生がオランダのいくつかの養鶏場で起こった。2003年3月11日時点で、 インフルエンザウイルスA/H7N7型が流行した養鶏場の数人の職員が結膜炎の症状を呈した(本月報Vol.24、 No.4、 92参照)。
インフルエンザウイルスA/H7N7型陽性例中1人と接触した2人が同様の結膜炎症状を呈した。この2人は感染した家禽に直接接触しておらず、 ヒト→ヒト感染の存在が疑われた。調査の結果、 養鶏場でインフルエンザウイルスA/H7N7型に曝露されたのは247人であった。うち194人が結膜炎、 17人がインフルエンザ様症状、 36人は下痢・嘔吐などその他の症状を呈した。また、 247人のうち65人がインフルエンザウイルスA/H7N7型陽性、 5人がインフルエンザウイルスA/H3型陽性、 137人はインフルエンザウイルス陰性、 40人は検査結果保留であった。結膜炎症状があった194人中169人の結膜ぬぐい液が採取され、 61人がインフルエンザウイルスA/H7N7型陽性であった。インフルエンザウイルスA/H7N7型が陽性であったもののうち、 4人は結膜炎/インフルエンザ様症状がなかった。調査の結果、 前述した2名以外に新たな患者の発生はなく、 症例のなかにはヒトとトリのインフルエンザの重感染はなかった。今後、 ヒトとトリ両方に感染するインフルエンザが流行する可能性が示唆され、 インフルエンザの発生動向調査を引き続き行う必要がある。
(Eurosurveillance Weekly、 7、 No.13、 2003)